ルドルフ・シュタイナー
人間の四つの気質ー日常生活のなかの精神化学 より

 
過去の民族は、太陽が人間の心臓、胸に特別に影響すると思っていました。
「太陽が正しく影響することによってのみ、私は勇敢な人間でありうる。太陽光線が外的に皮膚に作用するなら、私は全身毛むくじゃらになっていただろう。そうではなく、太陽光線は内的に心臓に作用しなくてはならない」と、彼らは思いました。
心臓が太陽と関係づけられるのは正当なことなのです。
このような太陽との関係について、まだいきいきとした知識を持っていた人々は何をするでしょうか。
そのような人々は喉のあたりに、太陽を表わすペンダントをします。太陽を表わすものを、首にかけるのです。彼らはそのようにして歩きます。そうすることによって、「太陽が心臓に影響を与える、と私は信じる」と、宣言しているのです。
のちには、このようなことが忘れ去られました。
ペンダントがもともとは太陽が心臓に影響を与えることのしるしであったことを、文明人は忘れました。かつては深い意味のあったものが、単なる習慣になったのです。
そして人間は、習慣に従ってそのようなものを身に付けながら、なぜそれを身に付けるのかが、何もわからないのです。