宮澤賢治 貝の火 より

 
これは私どもの王からの贈物でございます」と言いながら、ひばりはさっきの赤い光るものをホモイの前に出して、けむりのようなはんけちをきました。それはとちのぐらいあるまんまるの玉で、中では赤い火がちらちらえているのです。
 ひばりの母親がまたしました。
 「これはの火という宝珠でございます。王さまのお言伝ではあなたのお手入れしだいで、このはどんなにでも立派になると申もうします。どうかおめを願います」